バレンタイン・ドリーム
あらすじ
シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」を原作にした、全32曲の音楽構成。
ストーリーは原作とほぼ同じですが、愛の力が恨みを乗り越えて両家を和解させ、2人とも生き返るという、ハッピーエンドのメルヘンにアレンジされています。
古い昔、ロブツの国はヴェラーザの町。歴史ある2つの名門、カレンツァ家とパルミア家は、昔から犬猿の仲でいがみ合い、いざこざが絶えない関係であった。パルミア家の若者・フェラーダは、両家の争いに決着をつけようと、家に伝わる「復讐の剣」の封印を解いて持ち出す。

カレンツァ家の若者、ベルノは年上の女性・リオーナに片思いをしていたが、従兄弟に誘われて紛れ込んだパルミア家の舞踏会で、同家の娘・マリエットに一目ぼれしてしまう。マリエットもベルノを好きになり、2人は庭園で密かに愛を語らう。

両家の関係を穏やかなものにしたいと考えていた、町の神父・バレンスは、2人の間を取り持ち、マリエットの乳母・ピトリーナの協力も得て、2人は結婚式を挙げることができる。しかしその直後に、両家の若者同士の決闘が始まり、復讐の剣を武器に持ったフェラーダは、カレンツァ家の若者・レバンテを倒す。従兄弟を殺されたベルノも平常心を失ってフェラーダに挑み、彼を刺してしまう。

ベルノはヴェラーザの町から追放の処分を受け、失意の中でマリエットに別れを告げ、ミノレ川を越えて、隣のトラスタの町へ去る。

娘・マリエットがベルノと結婚式を挙げたことを知らない、パルミア家の当主夫妻・オルブラスとラベンナは、悲しみに沈む娘の心を気遣って、同家と親しい関係にあるレモーナ卿との結婚を勧める。窮したマリエットから相談を受けたバレンス神父は、32時間仮死状態になる秘薬を与え、マリエットは死んだように動かなくなる。両親たちは、マリエットが死んだものと思い、嘆き悲しみながら娘を墓へ入れる。

バレンス神父は、この企てをベルノへ知らせ、マリエットが墓場で目覚めたら、2人でトラスタの町で暮らすように伝えようと駆けつけるが、わずかの違いで、ベルノはマリエットが死んだという知らせを、召使から先に聞いてしまう。絶望したベルノは、バレンスと行き違いに、トラスタの町から早馬を飛ばしてヴェラーザへ向かう。

真夜中、ベルノはパルミア家の墓地へ入り、墓をあける。墓を見守っていた婚約者のレモーナ卿はベルノに戦いを挑むが、復讐の剣を持っていたベルノに倒される。ベルノはまだ眠り続けるマリエットに別れを告げ、薬を飲んで倒れる。
その直後にマリエットは目を覚まし、ベルノを見つけて絶望する。次々と重なる悲劇に、救いはあるのだろうか…
※image illust by Kyoko
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